6531人が本棚に入れています
本棚に追加
/1932ページ
会社に着き、寺河さんのデスクの前に直進。
「お…おは…よ…ございます」
意気込みは良かったが、ここってツメが弱い俺は、少ぉ~し緊張気味…
「おはよう。なんだ?」
「仕事外の話です…」
「30分前か…」
腕時計で時間を確認し立ち上がる。
「ついてこい…」
寺河さんは鍵を管理している棚から一つ鍵を外し俺の前を歩く。
「おっと…おはよ…えっ」
入り口で太中先輩に出会った。
「て…ど…ちょ…」
「少し話を…すぐ戻ります」
俺達の顔を見て心配そうな太中先輩に頭を下げ、寺河さんの後を追う。
「いいのか?」
前の寺河さんが口を開いた。
「あ…はいっ」
「あの男は、天道が俺にとって食われるとでも思っているのか?すごい形相でこちらを見ている。あの顔なら沖縄のシーサーも負ける」
すぐ脇のミーティングルームの鍵を開けながら、寺河さんは呆れたように顎で指す。
「ホント…ですね。みんな入るの恐がってる」
「魔除けに屋上で座らせておくか?」
「ぶっ…ぶふふふふ…いいかもしれませんね」
「ふっ…なかなかひどい後輩だ…おまえも。だが、太中との人間関係は羨ましいほど良好のようだな」
最初のコメントを投稿しよう!