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独りで歩く帰り道
いつも彼と歩いた帰り道
思い出も沢山あるこの道でまた涙が溢れてくる
あ…
「よう…」
先回りでもしたのか光一が私を待っていた
光一と二人で歩く帰り道
小さかった頃を思い出す
あの頃私は光一の事が好きだった
でも、会う機会も減ってきて閉じ込めてしまっていた
今そのフタは徐々に開けられてきている
あぁ…
私やっぱり光一の事好きだったんだな…
「なぁ」
突然光一が話し出す
まるで、私の心を見透かされているように
「俺、口下手だから直球でしか言えないが言わせてくれ…
お前の事が好きだ付き合ってくれないか?」
突然の告白
私は立ち止まり俯く
なによ…
アンタも結局はそうなの?
(違う…)
好きだとか言って私を騙すの?
(違う…!)
もう、そんなのはウンザリなのよ!!
(違う…こんな事言いたいんじゃない!!)
考えてもいないことを口に出して罵る私
光一を置いて走り出す私
顔を赤く染め、振り返る事も出来ずにそのまま…
本当は凄く嬉しい
光一もそう思っていてくれたんだって…
でも、それすらも嘘に聞こえる私はもっと嘘つきで…
開きかけたフタもまた閉じてゆく…
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