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私は光一を探しながら校舎のあちこちをまわる
もう帰ってしまったのではないかと不安になりながら
ようやく見つけた
校庭で一番大きな桜の木に腰をかけ座っている
花も咲いていて花びらがチラチラと地面に落ちてゆく
私が近づくと光一はこちらに気づき腰を上げる
「どうした?」
そう聞かれ私は決心する
私の気持ちの全てを光一にぶつけるんだと
光一の卒業制作見た
「そうか…その…」
ゴメン!
「!?」
光一の作品見て分かったんだ
この間言っていたこと嘘じゃなくて本当だって
だからあの時は突き放してゴメン
だから今度は私から言う…
私と付き合って下さい!
「…ぁぁ…あぁ!よろしく頼む!」
間をあけて光一が嬉しそうに答える
なんだか私まで嬉しくなって顔が緩む
「おっ!俺が見た中で一番いい顔(色)してんじゃん」
光一は昔から顔の事を色と表現する
そっか…
そんなにいい色していたのか…
私ももっと嬉しくなる
サァっと風が桜の花びらを巻き上げる
まるで私達を祝福するように
光一はふと私の手を取り
「そろそろ帰ろうぜ」
と言いながら私の手を引いて行く
私は光一の事もっと知りたい
そう思った
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