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俺達は便利屋の事務所で暇を持て余していた。
閑古鳥が鳴くとはよくいったものだが、シティー ハンターでは黒いトンボが飛んでいたな……なんて つまらない事ばかり考えてるのも、この一週間の 間に依頼が一件もないせいだ。
タカシは依頼がない事をいい事に毎日スロット三 昧だ。
あの野郎、一人で遊びやがって!
しかし、タカシのスロットの目は本物で、出る台 は光って見えるそうだ。
スロットだけでも食っていけるはずだが、なぜか 便利屋の仕事をやっている。
タカシが便利屋に来る目的は、どうやら事務所で 飼っている猫らしい。
パンダみたいな白黒の猫でクイーンという猫だ。
タカシはクイーンが可愛くて仕方ないらしく、事 務所ではクイーンにベッタリだ。
キョウコは一応、事務所スタッフという事で電話 応対や経理を担当している。
いつも露出が高い服ばかり着ている。
キョウコが言うには、便利屋の紅一点なんだか ら、こういう露出は必要だとかなんとか…。
俺とトシはソファーで漫画を読んでいた。
昨日タカシがスロット屋の景品でもらってきた物 だ。
これがまた面白くない。
びっくりするくらいつまらない漫画だが、まぁ何 もしないよりはマシだ。
その時、便利屋のドアが開いた。
俺達は急いでソファーで姿勢を正して座り直し た。
キョウコが素早くドアに行き、客を招き入れる。
それこそカモを逃がすものか、という勢いだ。
入ってきたのは、キレイな女だった。
物腰もよく、帰国子女のお嬢様って感じ。
キョウコとはまったく逆の性格だろう。
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