帰りのバスで…

あれは私がまだ中学生だった頃の出来事です。

その日は吹奏楽部の定期演奏会の日でした。

私は当時、吹奏楽部に所属していました。

私たちの吹奏楽部では年に数回定期的に市立のホールを借りて定期演奏会を開いていました。
お客さんは部員の家族や友人、卒業生、地域の人達で、コンクールなどとは違い、アットホームな感じでした。

賞やなんやらがない分人前に立つ緊張はあるものの私たちも気が楽で毎回楽しみにしてくれるお年寄りの方もいて私たちも嬉しく思っていました。

ホールまでは同じ市内といえどもちょっと距離があるし、楽器などの運搬もあるので毎回バスで行きます。

その日もいつものように朝早くから学校に集合しバスに乗り込みホールに向かいました。

ただ、その日は朝から曇り空で今にも雨が降り出しそうでなんだかテンションも上がらず、いやな感じがしました。

しかし、演奏会の方は毎年変わらず無事開くことが出来ました。

演奏も練習通り、といった具合でした。演奏会後の簡単な反省会、主に先生の評価も終え、楽器をバスに再び運び込み、いつものように帰ろうとしました。

事件はその帰り道に起きました。