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じい魔力を放つ彼は、僕の事を名前と称号で呼ぶ。
「久しぶりだね、ガルドドーラ」
「君ぐらいだ今の私を名前で呼びすてるのは。君に魔王と呼ばれていた頃が懐かしい」
なんとも言えない笑みを浮かべているのは、世界を統べる皇帝となったガルドドーラ=レニード、三年前に僕が倒した魔王だ。
僕達は、クリスタルのテーブルを挟むように配置されているソファーに向かい合わせで座る。
ヤナはお茶を用意すると言って、かつての勇者と魔王だった僕達二人を残して退室する。
一分にも満たない沈黙を最初に破ったのは、ガルドーラだった。
「最後に君とあったのは、いつだったかな?」
「最後にガルドドーラとあったのは、神魔和平条約調印式の前日だったはず」
「そうだった。前夜祭のような代表者だけの集まりの中につまらなそうな顔をした君がいて。私は君とたわいのない話をし、神魔聖戦の功労者である君が翌日の調印式に参加しな
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