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ってくれた。
誰にも気づいてもらえない、そう思っていたから諦めていたから、ガルドドーラの言葉がとても嬉しい。
「長い間待たせてすまなかった」
「……うん」
出すつもりのない涙が頬を伝い、慌てて服の袖で拭うが二年半分の涙は止まらず話を中断させてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいになったが、ガルドドーラは僕が落ち着くまで待っていてくれた。
「ごめん。もう大丈夫」
「君の泣き顔を見るのは二度目だな、あの時の君はまだ十二歳で、私はその幼い勇者に敗北し新たな人生を与えてもらった。その反面、君の人生を奪う形になった」
ガルドドーラは僕を泣かすために来たのではと思うぐらい、優しく投げかけられる言葉が温かい、魔王に慰められる勇者なんて僕ぐらいだろう。
「ガルドドーラ。ありがとう」
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