第一話「勇者アランと平和な世界」

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「いかない」  脈絡の無い問いかけだったが、たいした質問じゃなかったので間をおかずに答える。 「そうか、それは残念だ」  本当に残念そうにしている元魔王を見ていると、四世界会議に行ったほうがいいのかと思ってしまう。 「ガルドドーラは来て欲しいの?」 「ああ。君がくれば公平な意見がえられるし、なにより私が退屈しないで済む」  そう言ってもらえるのは嬉しいが、そもそも参加するための許可が貰えない。 「まだ四日ある。ゆっくり考えるといい、ちなみに許可ならとってあるから心配はいらない」  子供のように得意げな表情をするガルドドーラを見ていると、三年前に世界征服をしようとした魔王とは思えない。 「準備が良すぎるね」
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