透の想い

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透の想い

*透side* 莉奈は昨日の出来事を覚えていないみたいだな。こっちには好都合だ。 実は昨日は俺たちの間には何も起きていない。 ただ俺は昔から独占欲が強い。 莉奈は最近彼氏と別れたのを人伝いで知っていた。強引ではあるが契約結婚という言葉で先ずは気を引かせた。相手の気持ちは後からでも傍に置きたかった。莉奈には悪いけど…俺からは先に気持ちをいうつもりはない。お互い同じになれば話は別だが… ------------------------------社長の車で出掛けることになり勿論社長の運転で 「あの…社長…」 『透!!名前で呼べ。』 「透さん…私昨日何があったんですか?何で結婚に?」 『………』 「私理由が全く分からないんです…何で私なんだろうって…社長なら女の人に苦労だってしないだろうし…」 『………着いた。降りるぞ。』 社長は結局理由を教えてくれなかった。 「……ココですか?」 高級ブティックで普段私が買う某チェーン店とは大違い。場違いな私がこんな場所で服を選ぶなんて… 『好きなものを選べ。』 「でも私…」 『支払いは全て俺がする。問題ない。』 「…でも」 『俺たち夫婦だろ?支払いは俺がする。当たり前だろ?』 社長はそういい店員に声を掛けた。 『おい、栗原こいつに似合う服揃えろ。』 「あら、日向社長、女性連れなんて珍しい…彼女?」 『俺の嫁だ。そんな事より早く準備しろ。』 「はいはい。もう人使い荒いんだから。では奥様こちらへ」 私は栗原さんと試着室と向かう。その時、私に透さんは口パクで“余計なことは話すなよ”と私に言ってきた。 栗原さんは何着か私の体型に合った服を揃えてきて試着終わったら声を掛けるようにと試着室を出ていった。 私変じゃない?何かいつもと違うから違和感あるな… 「あの…試着できました。」 『莉奈…』 「やっぱり変ですか?自分でも何かいつもと違って違和感感じちゃって…」 『いや…似合ってる///』 栗原さんも似合ってるって言っていたし透さんに対しては顔が赤くなって見えたような…きっと気のせいよね。 『そういえば栗原、パーティー用のドレス、パンプス、ミュールとかも必要だから来週までにお願い。』 そう頼んで今すぐ必要そうなものを自宅に配達するのも頼んでいた。栗原さんが私の耳元で“下着のサイズ教えて。揃えと送るわ”と下着まで用意してくれることに。
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