†夢から覚めた現実。

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「そうじゃないと『怪事件倶楽部』の名が廃りますね」 そう。 あたし達はホラー研究倶楽部。 別名・怪事件倶楽部! 怪事件倶楽部が怪事件を恐れるなんて言語道断。 怪事件に突き進んでこその怪事件倶楽部なのだからね。 ……まぁ、これは信太郎さんや美優ちゃん、チトセ君、霞田先生の受け売りだけどね。 「そうそう!」 あたしの言葉に信太郎さんは嬉しそうに頷く。 流石、名部長様! 「遥ちゃーん! 行くよ!!」 校舎内から美優ちゃんがあたしを呼ぶ。 「部長も!」 続いてチトセ君が信太郎さんを呼ぶ。 みんな何時の間に校舎の中に入って行ったんだろうか? 「はーい!」 「おう!」 あたしと信太郎さんは返事をしてみんなが待つ校舎内へと急いで向かった。 「あ、これ」 靴を履き替え終わると直ぐに美優ちゃんが一通の封書を信太郎さんに手渡した。 「お!! 久々に依頼の『手紙』か!」 信太郎さんは受け取った封書を嬉しそうに開封した。 「幽霊ストーカー退治?」 手紙をのぞき見てあたしは信太郎さんの顔を見る。 嬉しそうに信太郎さんの口角は上がっている。 こういう時の信太郎さんはこの状況を楽しんでいるのよね~。 「面白そうじゃない!」 手紙を見て美優ちゃんは目を輝かせた。 「うんうん!」 チトセ君も楽しそうに頷いている。 「よし! 『怪事件倶楽部』始動だ!」 信太郎さんの掛け声に合わせてあたし達は円陣を組み真ん中で手を合わせる。 「おー!」 一同は手を掲げる。 行き交う生徒たちの視線が若干気にはなったがあたし達には関係なかった。 だってあたし達ホラー研究倶楽部。 ううん。 怪事件倶楽部はよき仲間との絆で結ばれているから永遠に不滅だよ。
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