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「センサイ。
余計な事言わなくていい」
ジロリと小岩井先輩はチトセ君を睨む。
小岩井先輩は余程『オカルト倶楽部』が嫌いな模様……。
『センサイ』ってチトセ君のあだ名?
チトセ……。
千歳……。
センサイ……。
あぁ、成る程ね。
わかりやすいあだ名。
でも、呼びにくい。
「は~い」
睨まれたチトセ君は良い子返事をして口をふさいだ。
「美優、遥ちゃんが入ってくれたら嬉しいなぁ。
こんなムサイ奴ばっかじゃ息が詰まっちゃう~」
小岩井先輩とチトセ君を見ながら美優ちゃんはいう。
勧誘……しているのよね?
言葉の端々がキツイのは気のせいかしら。
「むさくて悪かったな」
ムスッとして小岩井先輩は言う。
そりゃ、ムスッとするのもわかる。
「……考えときます。
あたしそろそろ寮に戻らないと荷物ほったらかしですし」
半分、言い訳。
とにもかくにも、あたしはここから出たい。
もう頭がパンクしそう。
「そうだな。
俺らも戻るか。
みそ、宮本 遥を頼む」
時計をチラッと見て小岩井先輩はバックを持った。
意外にも物分かりのいい人のようだ。
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