†ようこそ!怪事件倶楽部へ!

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「あ、宮本 武蔵」 すました顔で小岩井先輩はあたしを見る。 絶対、ワザと間違えてるわよね。 「……遥です」 一応、訂正してみる。 「あぁ、どっちでもいいが『死神』は俺じゃねぇ。 『死神』には気をつけろ」 どっちでもよくないわよ。 何なのよ、一体。 「え……?」 今、小岩井先輩『死神』って……。 「部長っ!」 小岩井先輩の言葉に美優ちゃんは声を荒げた。 「お喋りがすぎたようだ。 あばよ」 手を振りながら小岩井先輩は教室から出て行った。 「死……神……」 何だろう……。 この得体のしれない異様な感じは……。 「遥ちゃん、大丈夫よ。 部長は虚言癖があるのよ」 ニコッと笑って美優ちゃんは言う。 「そう……」 あたしには単なる『虚言』には聞こえなかったけど……。 要するに『深く追求するな』って事かしら。 「(『死神』についてはタブーっていつも言ってるのに……)」 気のせいかな。 何か美優ちゃんの顔付きが変わったような気がする。 「ほぅ。 あの娘が新入部員か……」 明らかに美優ちゃんやチトセ君や小岩井先輩とは違う声が聞こえてきた。 「誰……?」 あたしは辺りをキョロキョロと見渡す。
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