†ようこそ!怪事件倶楽部へ!

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「……いい加減、目を開けたらどうだ?」 冷たい手の主から低い男の声がした。 空気が変わった。 きっとここは何処かの建物の中だ。 建物といってもあの木造校舎しか想像がつかない。 勇気を振り絞り、あたしはそっと目を開けた。 案の定、あの気味の悪い木造校舎の教室のようだ。 「あ……」 思わずあたしは声を出した。 あたしの目の前には美少年が立っていた。 サラサラの黒髪、切れ長の瞳にインテリ系の眼鏡。 長身、細身の爽やかな少年。 この人、死神にしては格好よすぎる。 「天然パーマのフワフワの髪、団栗眼、痩せ型のチビ」 はぁ? 何この人……。 「あ、あの。 いくら死神さんでも言い過ぎじゃないですか?」 勇気を振り絞ってあたしは反論する。 「……死神? 何の話だ?」 少年は惚ける。 「と、惚けないでください。 貴方の正体わかってるんですからね!」 やばっ。 勢いで啖呵きってしまった……。 これは確実に殺される……。 「幾つか誤解があるようだな。 順を追って話そう。 まぁ、腰掛けたまえ」 頭をかきながら少年はあたしに椅子を差し出した。 わけがわからずとりあえず少年の指示に従う。 変に逆らったら殺されちゃう……。
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