†夢から覚めた現実。

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「部長ですら思いだせない夢……。 奇奇怪怪ね」 小岩井先輩の言葉を聞いて美優ちゃんは不安の色を隠せない。 たかが夢。 されど夢。 夢なのに気になる夢。 一体何なんだろう? 「あなた達! お喋りもいいけど遅刻は厳禁よ!」 プチ会議中のあたし達の背後からまたもや聞き覚えのある声がした。 「うげげ! アンドーナツ」 振り返るとそこには安藤先輩がいた。 安藤先輩を見るなり小岩井先輩は露骨に嫌そうな顔をした。 「おはようございます。 ワタクシもいますわ」 安藤先輩の横からヒョイッと楓子ちゃんが顔を出した。 その姿が可愛らしく思えた。 「楓子ちゃん!」 愛くるしい楓子ちゃんの登場で一緒場が和んだような感じがした。 「おはようございます!」 楓子ちゃんもあたし達に元気よく挨拶をしてくれた。 「おはよう。 ささ、予鈴もうすぐでなるから行くわよ。 遅刻はご法度よ」 挨拶をするなり安藤先輩はスタスタと歩き始めた。 「ほいほーい」 ふざけたような返事をする小岩井先輩。 「返事は短く!」 安藤先輩は小岩井先輩を睨みつける。 ホラ、怒られた。 「まぁまぁ。 ナツ先輩。 青筋立てないで、ね?」 そう言ってチトセ君は安藤先輩の手を握った。
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