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「どうかしました?」
信太郎さんにつられてあたしも空を見上げる。
空は雲一つない晴天でいつもと変わらないはずなのにいつもより青く広く見えた。
「誰かに見られてたような気がした」
視線を戻し信太郎さんは不思議そうに首を傾げた。
「死神かもしれませんよ?」
あたしは冗談を言う。
何で自分の口から『死神』ってでたかは知らないけど、ふと頭の中にそのキーワードが浮かんだ。
「死神?
んなもん、遭遇したらやばいんじゃないか?
俺と会った時遥は俺を『死神』と間違えてたがな」
あたしの言葉に信太郎さんは困惑する。
まぁ、実際『死神』に会ったらびっくりして腰抜かすんだろうね。
信太郎さんに会った時みたいにね。
「確かに。
物騒ですね。
ていうか、信太郎さんの登場の仕方が何か妖怪じみてたんです」
あの時はホントビックリしたんだから。
いきなり旧校舎に連れていかれて……。
あれ?
あの時まだ他に誰かいたような……。
気のせいかしら……。
「妖怪とか失礼な。
こんなイケメン妖怪いるか?」
腰に手を当て信太郎さんはカッコつけている。
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