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「ニャハハッ!
何楽しい事してるんですか、先輩達!」
またもや違う声が……。
一体何人増えるのよ。
「五月蝿いのが来た」
小岩井先輩は露骨に嫌な顔をする。
何て素直な人なの。
「五月蝿いって失礼だな~。
僕、1年8組の桜田 チトセ(さくらだ ちとせ)。
よろしくお願いしますね、遥先輩」
あたし達の前に現れた少年?は丁寧に挨拶をした。
凄く人懐っこい感じだ。
「よ、よろしく」
あたしも反射的に挨拶を返す。
男の子……よね?
小柄でくりくりの大きな瞳で童顔。
サラサラ茶髪からは甘い匂いがする。
始めは女の子かと思ったけど……。
見た目も名前も声も……。
一人称だって『僕』だけど、女の子も『僕』っていう子いるし学ランだけどそういう趣味かもしれないし……。
中性的でよくわからないわ。
また謎が増えた。
とにかくこんなワケのわからないとこ、さっさとお別れしなくちゃ……。
「さて、役者は揃ったな。
ようこそ、『ホラー研究倶楽部』へ」
仕切直すように小岩井先輩は言う。
どうやらあたしに逃げ場はないようだ。
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