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「チトセちゃん。
自分のクラブを『こんなとこ』なんて言っちゃ駄目よ。
もっと誇りを持ちなさい」
チトセ君にデコピンをしながら美優ちゃんは言う。
何故、デコピン……。
「は~い」
おでこをさすりながらチトセ君は返事をする。
やっぱり可愛い。
ショタコンにはたまらないだろうな、きっと。
「宮本 遥に話をしたいのだが……」
チラリとあたしの方を見て小岩井先輩は言う。
何故、フルネームなのよ。
わざわざ面倒臭い言い方するなんて変わってるわね。
「話だけなら……」
仕方なくあたしは承諾する。
断ったら何かヤバイ気がする。
いや、もうこの場にいる事自体ヤバイような……。
「遥ちゃん優しいわね~」
どうやら美優ちゃんはあたしに感心しているようだ。
本音を知らないって怖いわね。
「ここは『ホラー研究倶楽部』。
またの名を『怪事件倶楽部』と呼ぶ。
旧校舎の前にある謎の黒いポストに手紙を入れると部員達が解決してくれるという」
小岩井先輩は淡々と説明する。
何で部の名前が二つ存在するのかしら。
面倒臭いなぁ。
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