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満呪写華は、招待した者しか占わない。
しかし、その霊験は高らかで一度占ってもらったものは一発で心酔してしまう。
トモミは既に満呪写華の常客で、その占いの正確さに既に彼女を崇拝していた。
「あぁ…。
また招待していただいて…。
鎖凪さまのサイトで、やっと心から愛せる方に巡り会えたんです…。
やはり、これは今までの苦難が報われるお導きなのでしょうか…?」
人によっては面白い。
人によっては恐ろしい。
そんな不自然なくらいに醜悪な容貌ながら、頬を赤らめる乙女なトモミを、満呪写華は内心で思う。
──それよ…!あなたが決して手放さなかった…清らかな愛する心…!!!
「トモミさん…?」
──沙華に…寄越せっ!!!
「はい☆」
「あなたは、その方に必ず可愛いと言われるわ?」
「えっ!?そんなワケ!!!
私なんて…何故か…こんな顔になっちゃったし…」
「言われます。必ずです。
もし、彼があなたを可愛いと言ったら、また私を信じなさい。
ただし、彼はその後に忙しくてあなたと連絡が取れないと…」
「──え…」
「耐えるのです。
彼のために我慢するのです…。
それが必要だと、私に啓示が出ています…。
けれど、それでは…あなたが余りにも痛ましい…。
──前に…言いましたね?
私の名に、どうして呪いという文字が入っているか…」
「──それは…祈り…」
「そう…。
それは、ひたむきな祈りの力…。
もし、あなたがそれを望むのなら…授けましょう…。
彼を常に見れる目と、彼の声を常に聞ける耳を…。
ただし…、彼に招かれるまでは、決して彼の家に行ってはなりません。
目も耳も腐ってしまいます。
いくら…──常に彼と共に暮らせるようになるとは言っても…」
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