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もう1度会う事など到底無理なのだ。諦めようと思うほど、あの声が聞きたくなる。
そんな考えを巡らせていると近くから親友の少し怒った声が聞こえた。
「レオン、何やってるんだ。学校始まるぞ。」
その声の主の顔を確認する為に閉じた瞼を開ける。切れ長の目に銀色の綺麗な髪を短く切った親友、アルバート・シュタインが俺の顔の上に居た。
「ごめんよアル、ちょっと考え事」
そう言いながら、親友が差し出してきた手を借りて立ち上がる。今更だが、俺の名前はレオン・フォードである。
俺とアルはエリアス学院に通う3年生、今年で卒業を迎える。エリアス学院では主に戦闘を教えており、将来ギルドに加入し働きたい者の為の学校だ。
学院では卒業間近になると闘技大会なるものが行われる。各ギルドの長も見にきている為、俺たちエリアスの生徒にとってこの大会は将来を決める大事な行事なのである。
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