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基本的に狩る立場にあるメダレグマ。その足は陸を行く者を逃さず、見失おうともその優れた鼻で探り、捉えた獲物は鋭い爪牙に引き裂かれる。
ただ上には上がいるもので、
メダレグマ達も格上に対応するためかそれなりの順応性がある。むろん順応性がなければこのレイメインの森で生き延びられるわけがないのだが――、
少しの知性もあり格下相手に手こずるのは野生のプライドが許さないのだろうか。別の理由もあるのもあり、かなり殺気だっている。
怒り心頭といったように雄メダレグマの咆哮が、
「――――ッ!!!ッ?!?ッ?!!!」
それは途端に苦しむような悲鳴へと変わっていく。
はじめにどろどろを受けたメダレグマだ。鼻を大きな両手で覆い転がるように苦しんでいる
何が起こったか分からない群れのメダレグマはびっくりとしていたが、別の一体が悲鳴を上げるのを皮切りに群れ全体がもがき苦しみ出す。
レイメインの森の一角。獣の悲鳴が木霊していた。そこにはどろどろとした何かが飛び散り、もがき苦しむメダレグマの群れと、充満した特異臭だけが残っていた。
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