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  衝撃の事実を聞かされて、校長室を出ると ある先生らしき人がいた。 「月風さん?」 苑「はい」 「担任の坪倉です。よろしく。」 スーツで整った顔のこの先生が、あの坪倉先生なのか。 苑「よろしくお願いします!」 頭を下げると坪倉先生はにこっと笑った。 坪「さ、教室行こうか」 坪倉先生の後ろを、ついていく。 苑「あの、坪倉先生?」 坪「ん?」 苑「私が本校唯一の女子生徒ってどういうことですか…?」 坪「あー…赤高はね、去年まで男子校だったからね。」 苑「えっ、去年まで?」 坪「今年から女子も受け入れることになったんだけど、どうもそれを知られてないみたいで。」 苑「だから私が唯一の女子生徒なんですか…」 なんか、心細いな。 お父さんの仕事の都合で、田舎から都会のこの赤高にやってきたんだけど まさか、女子生徒がいないなんて… 上手くやっていける自信ないよ…。 坪「まあ、大丈夫だよ。うちの生徒みんな優しいからさ。」 苑「はい。」 _
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