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僕は早めに思考を切り替えて、既に写し出されているニュースに視線を落とす。
だが世界は何とも愉快なもので、予想だにしていなかった様々な事が起こる。
僕は今日。
もっといえば現在時刻7:48。
とある駅の電車乗り場で、それを身をもって経験する。
「単純明快な事。」
隣から声がした。
日常生活において当たり前の出来事に、心臓が不気味に脈を打つ。
僕の聞き間違いなんかじゃ無いのだとしたら、この駅には僕を含めた2人しかいない。
つまり…喋りだしたのは隣の痛い奴で、その相手は僕ということになる。
僕は、ゆっくりとぎこちない動きで顔を横に向ける。
そこには永眠状態から解放された白い髪の少女がいた。
瞳はカラコンをいれているのかライトグリーンとブルーが片方ずつ。
顔立ちは整っていて、同じ制服を着ているから高校生なんだろうが見た目はそれよりも、もっと年下の娘みたいだ。
髪は肩にかかるか、かからないか位の長さで真っ白ということもあってか、シルクの様な艶を感じさせる。
驚く僕を気にも止めずに目の前にいる彼女は、再びその小さな口を開く。
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