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「思考提示(デリタリャ)を使うには魔力が足りない…魔術の連用は考えものかも。」
「さっきは精霊王って言ってなかったか?っていうかデリタリャって基本中の基本なんだろ。」
僕の更なる追求に痛い少女は、あぅあぅと慌てながら、どう言い逃れしようか考えている。
「わ、私は科学者であって魔力を作る為の脳回路が科学の知識に埋め尽くされているせいで、作り出す事が出来ない…のだ?」
「おいおい…のだ?ってなんだよ、のだ?って!?追い込まれたからって中途半端なキャラ設定を言うな!」
何で朝から、しかも入学式の当日にこんな中途半端なキャラ設定の痛い奴とボケとツッコミの壮絶な、やり取りをしないといけないんだよ。
ってか、人間の脳って何百年間位の出来事は簡単に記憶できるんじゃなかったっけ?
それくらいの知識が、この真っ白な髪の頭に詰め込まれてるのかは疑問な訳だが…。
「むぅ…と、とにかく私は今日1日は魔術を使えないの。読心術も然り。」
「(…何だ、さっきの話は適当だったんだな。)」
バカ真面目に心の内を読まれたかと思って、冷や汗をかいていた自分が今となっては恥ずかしいわ。
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