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「鉄矢ー!朝ごはん出来たわよー!」
1階のリビングから母さんの朝から元気な声が聞こえる。
「了解~、今降りるから。」
僕の発した声は一人言位の声量だったが、我が母親はその小さな声すら聞き取ったらしく、
「じゃあ先に食べてるわねー!」
と、さっきの僕の何倍もの声量で返答した。
別に僕の家庭は、どこかの視力や聴力が異常にいい民族とかでは無い、純粋な日本人なのだが…。
「(母親って怖…。)」
小さな声で呟いたとしても聞き取られてしまうので、僕は心の中でそう呟いた。
これでも聞き取れたとなると、母親には特殊な力が流れてるのでは!?と、いささか心踊る展開になるわけだが…。
「そんなの現実では起きねぇよ…っと。」
言って僕はロッカーにかけておいた真新しい制服に身を包んだ。
中学では学ランだった制服も、高校からはブレザーに変わっていた。
「(でもブレザーってネクタイとか、やんなきゃいけないから面倒くさいんだよなぁ…。)」
早速、制服の欠点をあげてから僕は中学から愛用していた香水をつけて、それから髪型のセットを始める。
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