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これも中学同様、同じ髪型になるように心がける。
毛先を少し遊ばせる感じで、チャラ過ぎずかといって地味過ぎずをもっとうにした髪型は手慣れたもので直ぐに完成。
それから昨夜のうちに準備しておいた荷物を入れたリュックと机の上に無防備に置いてある財布を手にする。
「あれ…僕の生徒手帳は…。財布と同じ所においたはずなんけど…。」
肩にしょいかけていたリュックをベッドにおろして、手帳を探す。
すると手帳はベッドと机の隙間に落ちていたらしく、僕は長めの定規を使ってそれを取ることに成功した。
手に入れた少しホコリがついた生徒手帳を僕は何となく見てみた。
そこには証明写真ということで、バカみたいに真面目な顔になっている自分と、《瀬川 鉄矢(せがわ てつや)》という名前がのっていた。
僕はかかっていたホコリを手で払ってから、それを携帯が入っているズボンのポケットに押し込む。
「さて…やっと朝食タイムか。」
僕は今一度、もう暫くは帰ってこない自分の部屋を見てから、やがてゆっくりと、そのドアを閉める。
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