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「あらあら!似合ってるじゃないの鉄矢~!」
1階に降りてリビングに来た僕を見て早々に母さんは、近所に聞こえるんじゃないか位の大きな声で、そう言った。
「朝から恥ずかしい事を言うな!」
「あらあら照れちゃって~。あ、ご飯よそわなきゃ。」
母さんは鼻歌混じりに、僕のためにご飯をよそいにいった。
「ったく…朝から調子狂うんだよなぁ…。」
僕は鼻歌ではなく、タメ息混じりに言ってから食事が並ぶテーブルに向かい、椅子に腰かける。
そこにはいつもと変わらない和食の料理が並んであった。
僕は母さんが持ってきてくれたご飯を受け取ってから早速、箸を使って食事を始める。
「それにしても…。」
母さんは僕と向かい合うように座るなり、さっきとは声色を変えて話し出す。
「学生寮で暮らすだなんて…何だか心配だわ。」
「いつかは子供も巣立つんだぞ母さん。大丈夫だって、家事なんてお手の物だってこと母さんだって知ってるだろ?」
それはそうだけど…と底無しの心配を見せてくる我が母親。
何がそこまで心配なのか、さっぱり分からないんだが…。
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