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「母さんも父さんも心配性過ぎるって。」
「あら?お父さんから連絡あったの?」
「あぁ、昨日の夜中に電話してきやがった。会話の内容も内容だったから途中で切ったけどな。」
それを聞いて、苦笑いする我が母。
僕の父親は現在アメリカにいる。
でもそれは両親が別居してるとかではなくて、単純に仕事の関係でだ。
父は母を勝るほどの心配性で、近所からは息子さんがホントに好きなのね~との事で有名である。
「ごちそうさま。あ、家での最後の朝食だったな。今までありがとう我が家の食材たち。」
「最後じゃないでしょ。ホントに…暇があったら帰ってきなさいね。母さん、腕によりをかけて作っちゃうから。」
そんな母の笑顔を見た後に、僕は横に置いていたリュックを背負う。
玄関までやってきた僕は靴をはいて、目の前にある扉に手をかける。
後ろを向けば母さんがニコニコと笑顔で立っていた。
「じゃあ…行ってきます!」
「はい、気を付けて。」
僕は母に見送られながら、扉を押す。
その先には新しい学校生活を迎える僕を祝福するかのように優しい光が照らされていた。
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