第1話 好きになんない!

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「おはよう如月さん」  お姉ちゃんを目で追っていたから、すぐ近くに人が来ていることに気づかなかった。  でも、「如月さん」って呼び方に振り返らなくても声の主が誰だかわかる。  この会社でわたしを如月さんって呼ぶのはただひとりだから。 「おはようございます、神崎さん」  明らかな営業スマイルで振り返った。  その心、とっとと散れ。 「相変わらず額に怒りマーク出してんね。俺、何かした?」 「別に、何も」  うん、たしかに何もされていません。
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