第1話 好きになんない!

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 朝の忙しい時間が過ぎれば、玄関ロビーは閑散として、仕事も楽になる。  とはいえガラス張りのロビー。  外を通る人達の目はあるから、きちんとしていないといけない。  観葉植物のお世話をしながら清掃員のおばさんや警備員のお兄さんとおしゃべりをする。  実は受付ってこの警備員さんとくっつくことが多いみたい。  基準があるのか、お兄さん達はみんな身長高いし体つきいいもんね。優しいし、好きになっちゃうのわかるな。  再びカウンターに戻って背の高い椅子に腰を下ろす。  隣では電話対応しているやっちゃん。  わたしもカウンターのPCで来客一覧をチェックしたり、応接室の使用状況を確認したりする。  それからロビーで待合するお客様のためのコーヒーの準備とチョコレートの在庫チェックをした。  コーヒーに自社のチョコを添えるのは製菓会社ならではかもしれない。 「子供に評判いいんです」なんて言いながら、ポケットにチョコを忍ばせて帰るお客様の姿は微笑ましくて好き。  だからわたしも「よろしかったらこちらもどうぞ」と、綺麗にラッピングしたチョコの詰め合わせをお渡しする。  そんな時に驚きつつも喜んでいただけると嬉しくて、受付って楽しいなぁって思うんだ。
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