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「おはよっ、やっちゃん!」
「おはよう、深愛(みあ)」
受付に入って、先に来ていた但馬八重(たじまやえ)こと愛称やっちゃんの肩をぽんっと叩いた。
やっちゃんは、すっごい美人さん。
今は綺麗にまとめてアップにしているけれど、下ろすと腰まである艶やかな黒髪が印象的な大和撫子さんなんだ。
見た目とは裏腹に気さくで話しやすくて、わたしよりも二個年上の先輩だけれどタメ語で仲よくさせてもらっている。
「今日は、接客が必要な来客が三件。一件は大株主の方がいらっしゃるから特別応接室の方にご案内した後にお茶出ししてください」
「了承しました」
ベストのポケットに入る、サイズの小さな手帳を取り出して書込んでいく。
「……で以上です。今日もよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
やっちゃんとふたりでぺこりとお辞儀をして、ふふっと微笑み合う。
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