3人が本棚に入れています
本棚に追加
「改めて自己紹介をしよう。ワシは《コンビニYUKAWA》の店長で肉まんのペット、YUKAWAと申す者じゃ」
「(古風な口調なのに名前がローマ字!?)は、はあ…えっ、ペット?」
「そうじゃ。ワシはこの通り、手も足もない不自由なフォルムのせいで何も出来ない。
だから肉まんのペットとして彼女にワシの身の回りの世話をしてもらっとる」
「アレ?でもさっき店長ショーケースの中に居ましたよね?ペットなら肉まんさんと一緒に居ても…」
ピエールの問いに、肉まんはあははと笑って答えた。
「いやー、私たまに店長忘れてお家帰っちゃうんだよねー」
―それって駄目だろ!ペット店に置きっぱなしは駄目だろ!!
さも当たり前かのように言う肉まんに少し恐怖を感じたピエールは、店長の台詞を思い出した。
「そういえば、何で俺はピザまんなんですか?」
「確かにお主はイタリア出身じゃろう?」
「はい」
「だからじゃ」
「………」
「はあ、そんなことだろうとは思ったよ…」
自分の新しい名前の由来があまりにも安直だった為、その場に固まるピエールいやいやピザまん。
「それに、名前もいい感じに似てるからアリだと思ったのじゃ」
「確かに、イタリア出身でも名前がジェームスとかケビンとかインクジェットとかだったら萎えるもんねー」
「いや萎えるってなんだよ。つーか最後のはもはや名前じゃないから」
「あ、あはは…」
安藤ゴホンゴホンあんまんから貰った気合いが少し磨り減ったピザまんなのだった。
最初のコメントを投稿しよう!