肉まんと愉快な仲間達(掃除担当編)

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指導担当と挨拶をし、店長に会えて、更には名前を貰ったピエールことピザまんは、赤澤ほとりこと肉まんから店の内部について説明を受けていた。 「ロッカールームはさっきあんちゃんと行ったみたいだから大丈夫だね。その奥に休憩室があるから、後で休憩がてら見に行こう」 「はい」 「で、ここが倉庫。足りない物を補充する時や商品入れ替え作業で余ったのを一旦ここに閉まっておいたりする時に使うよー。 でもここはあんちゃんと一緒か、最低でもあんちゃんから許可を貰ってないと入れないから気を付けてねー」 「はい」 「うんうん、ピザまんくんは物分かりがいいねっ」 「ありがとうございます、肉まん先輩」 彼女への呼び名が"肉まんさん"から"肉まん先輩"へ変わったのは、少し前に 『これから宜しくお願いしますね、肉まんさん』 『うーん…肉まんさんって何かなあ…。よし、これからは私のことを肉まん先輩と呼ぶのだよピザまんくん!』 『あ、はい。分かりました』 というやり取りがあったからである。 「あの、さっきからずっと気になってたんですけど」 「うん、なーに?」 「肉まん先輩って俺より年下ですよね?学校とか行ってないんですか?」 昨夜放送の二時間ドラマを見て寝坊で遅刻ということは、それまでずっと寝ていたことになる。 ピザまんが高校へ行っている間、ずっと寝ていたというのか。例え寝坊したとしても、彼女に学校があったらさすがに途中で起きるはずだ。 と、ピザまんは考えたのだ。 すると肉まんは「チッチッチッ」と人差し指を左右交互に動かしながら、 「人間はね、少しミステリアスな方がいいんだよー」 と意味ありげに言った。 ピザまんは「テレビ番組の趣味と人外の店長をペットにしてる時点でミステリアス過ぎます」と思ったが、言わないでおいた。
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