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某所某日。
イタリアからやって来た留学生のピエールは、《コンビニYUKAWA》と書かれた、やけに暖色が使われているコンビニの前に立っていた。
「ここが…これから働く所か」
地元から持参したお洒落なスーツをバッチリ着こなす金髪赤目の彼はまだ高校二年生。
独り暮らしの生計を立てる為、チラシの求人広告で見つけたこのコンビニを訪れたのだ。
ただ、ピエールは一つだけ疑問に残っていることがあった。
それは、広告を見つけて彼が電話をした際チーフと名乗る女性から発せられた一言だった。
「ウチ、普通の人間は受け付けないから」
これは一体どういうことだろうか。
―そもそも日本で言う《普通の人間》と《普通じゃない人間》の差はなんだろう?
日本のことは一通り勉強してきた勤勉な青年・ピエールは悩んだ。
―でも留学生って普通じゃない場所から来てるんだからとりあえず普通じゃないだろう…
そう自分に言い聞かせ、客に混じって店内に入った。
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