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正直言って日本での独り暮らしには自信がなかった。留学は自分でしたいと言ったのだし、家族もそれには反対しなかった。
通学することになった高校では教師もクラスメイトも本当に優しくしてくれるし、アパートの大家はこのコンビニを紹介してくれた人だ。
しかし、今まで彼は何となく不安だった。頑張って勉強してきた日本語に間違いはないかとか、礼儀正しく出来てるかとか、そのようなことに常に細心の注意を払っていた彼の疲労は半端じゃなかった。
そんなピエールに、安藤は「もっと肩の力を抜いてもお前はちゃんと出来てる」と言ってくれた気がしたのだ。多分本人はそんな気更々ないが、ピエールは頑張れると思った。
せっかく覚えたての漢字を沢山使った履歴書も、放課後わざわざ担任に教えてもらった面接術も使わなかったけれど。
少し考えて、背広を脱ぎシャツの袖を捲った彼は、この《コンビニYUKAWA》のロゴが入った可愛らしいエプロンを見に纏い、ロッカールームを出た。
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