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「安藤さん、俺まず何したらいいですかね?」
「まず私はお前がそのエプロンをしたことに驚きを感じてるよ」
「え、しちゃまずいですか?」
「まずいっていうか…ダサいだろそれ」
確かに、口を押さえて笑う安藤も、店内で掃除だの商品の入れ替えだのを行っている店員もピエールが着ているようなエプロンはしていない。
「そうですか?俺は可愛いと思いますけど」
「ほらー!やっぱり肉まん特製店長エプロンは可愛いよー!」
「その前にピエールに挨拶しろあと遅刻の理由も話せ」
「………」
先程の演歌BGMと共に現れたのは、薄ピンクのフード付つなぎを着た中学生くらいの茶髪の女の子。
彼女も《コンビニYUKAWA》の店員らしいが…
「おー、君が噂の新人ピエールくんだねー?」
「あ、はい。えーと、貴女は…?」
「私は肉まんこと赤澤ほとりだよ。ピエールくんの指導担当になりましたー」
ふわふわと笑う彼女に、ピエールが心温まる思いでいると、側にいた安藤が呆れた表情で尋ねた。
「で、今日はどんな理由で遅れたんだ?」
「あのねー、昨日遅くまでテレビ見ちゃって…」
「お前が寝坊するほど遅くまでテレビを見るなんて珍しいな。何見たんだ?」
「"暴れたい将軍 パート6"だよー」
―暴れたい将軍って将軍それ精神異常者になっちゃうから!ていうかパート6って結構人気あるし!!
可愛い見た目と裏腹に乱暴なタイトルのテレビを見る赤澤に驚いたピエールであった。
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