天の川

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膝を笑わせるナオ君に、テツロウさんはため息をついて、 「お前に死体隠滅なんてハイスキルなこと務まんのか? チビるに決まってるよ」 と、のんびり言った。 「で、出来るさ」 すかさずナオさんが胸を張って言い返すものの、その表情は大分強ばっていた。 何が起こってるのか、あたしにはよくわかんない。 話のスピードが速すぎて。 でもあたしが話を飲み込むスピードが遅いから、速く感じるんだ。 「ねぇ、テツロ、さん……」 あたしは黒ヘルメットに、 「あたしは、どうしたらいい、の……?」 と、喘ぐように聞いた。 「他人に頼んな。 お前が俺達に頼っていいのは、自分が100パーセント不可能だと判断出来ることだけだ」 淡々と述べる彼の言葉に、あたしは衝撃を受けた。 出来ないことは、頼っていい。 それはつまり、死体を処理すること。 この道路にこびりついた満面の血を、なんとかすること。 出来ることは、やる。 これからどうするかは、あたしが決めなきゃ何も始まらない。
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