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ドンッ……。
チリーンッ。
胸を撃ち抜く花巻の花火の音と民家の風鈴の涼しげな音が、同時に反響する。
毎年恒例地元七夕祭りに花火のカリキュラムは組まれていない。
つまりは誰かがイタズラか遊びかで打ち上げた大型な花火だったんだと思う。
川外れの静かな坂道から下を見渡せば、提灯のオレンジ色一面。
蛍の聖地である川のふもとには、眩むほどの人だかり。
夜空は誰もいないけど、白く光る星がたくさんいる。
ポツリ、ポツリ……。
浴衣に水滴が跳ねる。
「雨だ……」
七夕恒例の天候。
あたしはスプレーでセットした頭の上にうちわをかざし、顔が濡れるのを防いだ。
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