天の川

51/68
前へ
/338ページ
次へ
あたし。 ナオ君。 テツローさん。 3人が駐車場の脇に集まり、そこにはこれとないはりつめた空気。 名前しか知らない2人に、あたしは頼った。 こんなの、許されるはずもない。 犯罪者は、ちゃんと自首して罪を償うべきだ、と、学生時代テストの意見文で書いたことがあった。 だけど。 無理だよ……。 やっぱり捕まるのは怖い。 警察、牢屋、裁判。 幼いころから由緒正しいと思ってきたそれらが、怖い。 「女、お前の名前がルコか?」 沈黙の中、指揮を取ってくれてるのは、テツローさん。 あたしは口を半開きで、こくこくと頷いた。 「ルコ。お前にも死体遺棄させる。 俺はナオと違って優しくねえ。 罪人のお前に情けはいらねえと思ってっから」 そうだ。 迷ったり、不安してる場合じゃない。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1688人が本棚に入れています
本棚に追加