1688人が本棚に入れています
本棚に追加
ホームセンターの駐車場を出て、一本道の道路を使って例の場所に向かう。
例の場所、あたしがストーカーを殺した場所。
テツローさんが既にワゴン車に死体を隠しているらしく、そこに行くことになった。
あたしはナオ君に乗せてもらうのは、暗黙の了解だった。
過ちを犯してから、1時間は経った。とテツローさんは出発する前に行った。
でもあたしには、もっともっと長く感じた。
悪夢ならいーのに。
目が覚めたら7月8日ならいーのに。
ストーカーの細まった目も、ナイフの先端も、全部全部、まぶたの残像に残ってる。
七夕にしては運がよく、渋滞に絡まることなく順調に進むバイク。
道路のカーブを曲がるたび、バイクは右や左に傾き、落っこちそうになって怖い。
前で黒いバイクを運転してるのは、あたし達を牛耳るテツローさん。
黒いヘルメットを、また被っている。
後ろに続いて運転するナオ君は灰色のパーカーを被り、あたしは恐縮なことに青いヘルメットを借りてる。
ナオ君が少し速度を上げたから、あたしはぎゅっと歯をくいしばった。
暗い中、曲がり道をカーブするたびバイクに振り落とされそうになる。
そうならないよう、ナオ君の胴体に必死にしがみついた。
最初のコメントを投稿しよう!