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天の川が林の葉っぱに遮られて、よく見えない。
あたしは疲労感からか、目がもう半開き。
「お前らどけ」
テツローさんの命令に、あたしとナオ君は端に避難した。
どけ、と言った彼は、車の後ろのふたを開けた。
青いビニールシートでくるまれ、黄色いスズランテープでぐるぐる巻きにされた、二メートル近い物体が覗く。
あの中に、あのストーカーが……。
シートの鮮やかなブルーを凝視してたあたしは息を止め、身震いした。
黒いヘルメットをかぶったテツローさんが、その物体を軽く押した。
なんもためらいなく。
ドサッ!!
穴に転がった瞬間、にょきっと赤黒い腕がビニールシートから飛び出した。
「……っ!!っ!!」
叫びそうになったあたしの口を、迷彩柄ヘルメットをかぶったナオ君は後ろから支えた。
青いヘルメットをかぶったあたしは、最早失禁寸前。
「耐えてルコちゃん、頑張れ」
「うー……っ」
あたしもう、壊れそう。
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