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バタン。
車の中、3人が揃った。
全員一斉に、ヘルメットを取った。
あたしのお団子は大分崩れていて、ばさりと肩にストレートな茶髪が落ちた。
「……」
終わったことは、仕方ない。
よかったんだ。
これでよかったんだ。
よかったんだ。
悔いはないと思う。
「ナオ君、テツローさん。
本当に本当に本当に、ありがとうございました」
精一杯の感謝を込め2人に頭を下げた。
深く深く。それは深く。
2人はこれから、空き地に停めたバイクも自分家に回収しなきゃいけない。
「ルコちゃん」
助手席からナオ君が顔をひょっこり覗かせた。
車内と夜の独特な暗さの中、サンシャインスマイルを彼は向けていた。
「俺らとルームシェアしない?」
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