ハイドとシーク

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  そんな僕の気持ちが伝わったのか、新しい主人は生気を失いただその場にいるだけの僕に対してとても優しく接してくれた 何かと気を遣ってくれたし、その暖かな笑顔で毎日僕に語りかけてくれた 何度か主人が代わりその度に家を転々としたのだけれど、皆そんな人たちばかりだったから、お陰で僕の心は次第に暖かさを取り戻していった だけど、いくら月日が過ぎようと彼女のことになるとそうもいかなかった 今どこにいるのだろう 新しい主人は優しくしてくれているのだろうか 僕のこと、忘れないでいてくれるのだろうか……  
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