ハイドとシーク

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  ある時、そんな思いを払拭する出来事が起きた 実に数十年ぶりだ いつものように窓の外をぼんやりと眺めていると、向かいのアパートに彼女の姿があったのだ 昔と変わらないその姿に僕は、彼女は、互いに喜び合った そしてその日から、また互いを見つめあう日々が始まった それが切っ掛けとなったのか、僕達が再会してから数年後、互いの主人は惹かれ合い、いつしか夫婦となり一つ屋根の下で暮らし始めた 僕達もそれを心から祝福した 尤も、また彼女と同じ時間を過ごせるという喜びの方が勝っていたのだけれど  
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