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-----ユーマッチ視点--------
時はさかのぼる………
…………
……
…
《任されたからには、必ずその期待に応えないと…。》
【ユーマッチ】は自身に課せられた初の単独任務に、少々の不安を感じていた。
《信頼してくれたリーダーの期待を裏切るわけにはいかない。
やっとここまで来たんだ、絶対に成功してみせる。》
【ユーマッチ】は強く心にそう近い期待半分・不安半分の中、警戒速度を保ち歩みを進めていた。
目標地点までは拠点から距離にして45km程度、【ユーマッチ】の警戒速度で進んで7時間程だ。
全力で進めば2時間以内で到着は可能だ。
いつもは仲間とリーダーも居て指示に従うだけでよかった。
今回の作戦から【ユーマッチ】は自身の特定のスキル習得と能力値上昇をリーダーに認められ、複数の探索隊の一部の【シーカー】として抜擢されたのだ。
これまでに何度か先発シーカー小隊として任務に出ていた。
先発シーカー小隊はリーダー指示の元、単独シーカーとの連絡役や補給を任務とする仕事である。
そして【ユーマッチ】は今回初の単独シーカーとしての任務遂行中だった。
《そろそろ中間点が見えてくる頃だ。》
中間点とは拠点から目的地までの間の仮の拠点の事である。
第5探索隊はココを拠点にして本拠地迄の連絡報告、単独シーカー達への補給をおこなっている。
全てはリーダーが計画し今ではそれが定着してか、数年で本拠地は以前の数倍の繁栄を見せている。
探索隊システムは方々に張り巡らされ、中間点も随時その場所をリーダー指示の元移動をしている。
【ユーマッチ】はそんなリーダー集団にあこがれを持ち、いつか自分も末席に加わりたいと本気で考えていた。
無事に指定中間点についた【ユーマッチ】本部の指令を小隊長に伝え、装備を再度確認すると中継地点の警戒兼食糧調達をする為にその場を離れた。
探索部隊には食糧調達の任務も兼ね備えている。本拠地周辺だけでの狩りは生態系を壊し、自分たちにとってデメリットでしかない為だ。
狩りの範囲も安全を確保する為範囲が指定されている。
それ以外の範囲へ狩りへ出る場合は2~3人で行動するよう指示がされている。
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