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魔石はおいそれとは使いたくない代物だった。
チャージに時間が掛るのと、魔石へ高度な魔法を込められる術者が彼らの拠点に少ないからだ。
魔法布も有るが広範囲に使えるものではない。
魔法布は単純な魔力しかチャージする事しか本来は出来ない(術者能力や高度な魔力操作プログラムにより可能)。
コチラも同条件でただの狩りでおいそれと使えるものでは無い。
だが彼は魔石と魔法布の携帯を許可されて居た。
先遣隊単独シーカーのみに許された逃走用の簡易範囲魔法が込められたものだ。
彼が持つのは黒く丸い手の中に納まる程の球体で、手に持ち発動させると自身を中心として半径10m以内の術者以外を一定時間麻痺させる魔法球のみだった。
《生きてる気配は無いな…》
『ステータス開示』
彼のもつ魔力を消費するスキルの【ステータス開示】はその魔力を消費する事によりスキル使用者が目視で判断した物の頭上にステータスを表示する能力だ。
このスキルの弱点は目視しなければいけない事、魔力を使う為使用すると対象に気が付かれてしまう場合がある事(対象能力Lに依存)、そして詐称を見破るには相手の能力を上回らなければいけない事等がある。
【ユーマッチ】は狩りや他勢力との戦闘、その他リーダー達の指導のもと知識を増やし単独シーカー、おいてはリーダーに必須となるスキルを習得すべく勉学に励んでいたのだ。
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レベル:3
名前:不明
種族:ウルフ/魔獣(イヌ属)
性別:不明
スキル:不明
状態:死亡
HP:0
MP:低
パラメーター不明
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etc…
低レベルの開示スキルでは自身の知識に照らし合わせた情報と相手のレベルの数字とHPやMPは大まかな極大・大・中・小・極小の表示となる。
もちろんパラメーターは不明である。
それでも何も分から無いよりは全然ましである。
この様に死亡確認やレベル・状態は判別できるのでかなり戦闘や偵察においては有効なスキルと言える。
《良し!!死亡確認完了。他にもいるな?
警戒しつつ回収。》
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