◆ユーマッチは静かに眠る。

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もちろんそんな事は分かるはずもない【ユーマッチ】後に控える事に対処しようと考えたのだ。 弓は近距離から一匹目の眉間に見事命中し、次に襲ってくるウルフには近距離で一匹めを狙った為傷を負わる事だ出来なかった。 《先ずは先にウルフを殺る!!!!!脱出は後回しだ。》 【ユーマッチ】は気が付いて居ないが、今の彼の立場はダンジョンに侵入した者で魔物ではあるが攻略者でもある。 《クソっ!!!》 弓を後方に投げダガーを抜く!!! 《こんな事ならショートソードを持って来れば良かった…》 後方のウルフは一匹目の死骸を飛び越え、勢いそのままに【ユーマッチ】に牙を振るう。 咄嗟に左手腕を前方にだしワザと噛みつかせるが、勢いを殺せずに後方に倒れウルフに乗っかられてしまった。 『雑魚のクセニっ!!!!!』 頭に血を登らせつつも、右手に持つダガーをウルフの胸部目掛けて突き立てる!!!!! ビシュッー!!!!!! 鮮血が噴き出てもなおも噛みつきを止めないウルフ。 もう一頭は後方で様子を伺っているようだ。 通路が狭すぎてコチラに来ることができないのだろう。 更にウルフに体を振られながらも数度腹部を突き刺し、首筋にダガーを突き立てるとウルフは力を失い【ユーマッチ】の上に崩れ落ちた。 腕には皮の籠手を肘まで装着している為。 肉を食いちぎられず牙が肉に突き立つだけで済んだが、既に顔や首筋はウルフの爪で血だらけだった。 『う--っ--おっ!!!!!』 直ぐにウルフの死骸の足を痛む左手で掴み持ち上げた。 ウルフの死骸を盾にしたのだ、狭い通路では最大の盾であり至上の作戦だ。 【ユーマッチ】は戦闘のプロではないし死線は潜り抜けていないが、知識教育・模擬戦・襲撃への参加で慣れてはいる。 咄嗟に一番生き残る確率の高い戦法を選んだ。 通路幅0.8~1mを最小幅位として1.5m前後の凸凹で形成されそのサイズ・形・具合を考慮しても回り込む事は不可能。
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