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彼は通常睡眠から得る事の出来ない満足感のなか目を覚ました。
床に寝転がりながら天井を見上げた
『なんだか頭も体もすっきりするな~。生きてる…な?…インストールが終わったのか。』
いつものようなどんよりとした目覚めでは無く、病院の鎮静剤で眠らされてから目覚めたような寝てやったぜの爽快感に酔いしれる。
『うわ~!!!血だらけだ!!!、しかもカピカピになってるし。』
血が乾燥したり粘り気のある状態で肌にまとわり付、髪の毛はガビガビだ。
大量の赤黒い血にまみれたベッドカバーが床にくっ付いてしまっている。
《てかどんだけここで倒れてたんだろう?時間的なものを知るようなものは無いし…。》
視界の中に何か見える左目の上の方だ。
虫かと思い手で振り払うが…
《文字が浮かんでるのか?》
左目をつぶって右目だけで確認してみる。
《空中に浮いてる文字ではないな。》
左目を開けて文字を認識してみる。
----網膜表示------
■menu■
・open
・object search
---------------------
この2項目だったオープンとオブジェクトサーチ。
《んーとりあえずオープンかな》
開きたいと考えたと同時に目の前に40インチ程の画面が出現した。
俄然興味が湧きそれ自体を色々試してみると、その空中ディスプレイは俺と一定の距離を保ち俺とともに移動するようだ、サイズや位置の事を考えると場所やイメージした大きさに変化してくれる。
スマートフォンから部屋を埋め尽くすほど巨大なディスプレイに迄なる。
『スゲーなこれ、相当カッコいい。近未来的~♪しかも俺に内臓された機能だしな。』
左目の文字も…
『menu』
と発声すると表示のon・offができる。
思考と思考の伴った発声により機能が起動する様だ。
空中ディスプレイにも項目一覧がありいろいろと多岐にわたり記載がある。
その中の必読項目にとりあえず目を通すことにした。
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