No.2 何かが変わる、音がした

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「あー…俺、桐原っつーんだわ。まぁ、所謂お前のクラスメイトってヤツ。」 聞いてもいないのに自己紹介を始める彼。 桐原くん…か。 改めて彼を見てみる。 スポーツ少年…いや、青年と言ったところか。 ……同学年とは思えない体格をしている…彼、180以上なんじゃないかな。 「…おーい、梶くん、聞こえてるかー?」 桐原くんが顔を覗き込んでくる。 「…近いです。それと少しぼーっとしてただけですから、すみません。」 限りなく素っ気なく返す。 これでもう、彼は僕に近付かないだろう。 そう、友達なんかいらない。 必要以上に人と関わるのも。 (なのに何故、胸が痛む…?) 彼の少し切なそうな表情に、胸の奥がチクッと傷んだ。
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