No.1 始まりは突然で。

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僕は小.中学生の間、常に孤立していた。 ……いや、"させられていた"というほうが的確か。 その中心にいたのはいつも"アイツ"だった。 "アイツ"が近くいる限り、僕はずっとこのままだろう。 僕は、……逃げてきたんだ。 元々住んでいた場所から約1時間、僕はこの春から全寮制の私立光陽学園に通う。 この学園は幼等部からのエスカレーター式で、…ようするに裕福な家の子が多い。 かといって別に僕の家は裕福でもなんでもなく、僕は高等部からの特待生として編入するのだ。 「…あ、校門。」 駅から徒歩数分。 顔をあげると目の前には、大きな門が佇んでいた。
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