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僕は反射的にバッ、と体を退けていた。
「……? どうかし「大丈夫です、なんでもありません。」
サッ、と目を逸らす。
「なんでもないって、お前…」
相手は言いながら手を伸ばし、僕の頭の上に手をおいた。
僕は思わず後退る。
「な…んですか……」
「ん?いや、かわいい後輩と交流を図ろうと思ってな」
相手はまた、僕の目をじっと見つめてくる。
……直視できない。
さっきあの目を見た瞬間から"アイツ"が頭を離れない。
いつも僕を陥れていた"アイツ"が。
……体の震えが止まらない。
ぐにゃりと視界が歪む。
僕はそのまま、意識を手放した。
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